2010年08月01日

【コラム】目に見えない支援

ODAみたいな類の政府による支援って言うものは、どうも目に見えづらい。ニュースとか大学で「政府がとある国に5000万ドルあげました」とか言われても、あんまりにも大きなお金すぎて実感がわかないのだ。

「日本はただでさえお金がないんだから、役にも立ちやしないODAなんかしていないで、自国のために使え」という意見をたまに耳にすることがある。たしかに、それも一利あるなと思える。「それが日本のためになっているんです」とかいう意見を聞いても、本当かなあと感じてしまう。自分の生活に直接関わりが無いから、そう感じることもあるのだろう。

「形」を見ればそんな気持ちも無くなるかなと、僕は思っていた。しかし、そういうわけでもなかった。堂々と日の丸が描かれた橋やダムたちを、僕はネパールやカンボジアでちょこちょこ見てきたが、現地で実際に日本の支援を形として目にしてみても、どうも実感がわかなかいのだ。本当に役立っているのか、感謝されているのかもわからないし、無駄だと言われれば無駄なのかもしれないと言う気すらしてくるから、困る。

でも、そんな日本政府の支援に対する僕の疑い深い気持ちを一気に晴らしてくれた出来事があった。それは、ネパールの首都カトマンズで出会った、ガイドのおじさんの一言だ。ある夜、僕が一人で町をぶらぶらしているときに出会ったそのおじさんは、タバコをふかしながら僕にこう言ったのである。

「日本のJICAは、ネパールに大きな橋や綺麗な道路をたくさん作ってくれている。私たちは本当にそれを感謝しているんだ。本当にありがとう。」

どういう反応をすればいいかわからなかったし、日本人の代表が僕なんかでいいのかなあとも思ったが、とにかく僕は純粋に嬉しかった。そして、数字でも形でも実感できなかった「日本政府の支援」が本当に役立っているのだと、その時初めて実感できたのだ。支援をしていてよかったなあ、と誇りにすら思えてきたほどである。直接現地の人にお礼を言われることで、僕にの眼にはしっかりと「支援」が見えたのだ。

それ以来、僕は日の丸が描かれた橋を渡る時に、無駄だなんて思うことはやめた。きっとそこには、日本に対して心から「ありがとう」と感じてくれている人がいるはずなのだから。

「ありがとう」の力は、本当に大きい。


(S.A.L.メルマガ執筆記事)
posted by kota at 01:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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